高齢者の転倒事故

高齢者の要介護要因
「高齢者の転倒事故は年間10~20%の人に発生」

「老化は足元から」と昔からいわれます。日ごろ意識していませんが、歩くときは足指が地面を蹴り出すようにして歩かないと、膝が上に上がらず、歩行速度も上がりません。老化あるいは、運動不足で下肢筋力が低下すると足指に力が入らず、高齢者特有のすり足やチョコチョコ歩きになります。転倒する高齢者が多いのはこの下肢筋力が弱っていることが一因です。

日本で介護保険を受給している高齢者は約1割です。要介護要因になる要因は65~74歳の前期高齢者では脳卒中が多くを占めますが、75歳以上の後期高齢者になると転倒・骨折や高齢による衰弱が挙げられます。実際に、要介護要因の第2位が高齢による衰弱、3位が転倒骨折です。したがって、年齢による下肢筋力の低下をいかに防止し、転倒を予防するかが元気で快適に生活するためのキーワードになります。

後期高齢者になって転倒リスクが高まるのを防ぐにはどうすればよいでしょうか?そのためには、なるべく早いうちから、ご自分の下肢筋力がどのくらいで、転倒リスクがどのくらいあるのかを知っているべきでしょう。日常的な簡単な予防活動で下肢筋力の低下が防げますので、なるべく早く、定期的に測定をすることが大切です。

たくさんの測定を行っていると、足指力が年相応で喜んでいる方、低下していてがっかりされる方がおられます。年齢の平均値を考えることも参考になりますが、高い足指力を維持、あるいは向上させて転倒リスクを低下させることを心がけてください。

医学博士 木村哲彦

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